Eternal Party 2015 ROUND3 黒田正城(大阪) vs 宮脇悠輔(大阪)

text by Seigo Nishikawa

「対戦相手の名前を見たら黒田さんじゃないですか、カバレッジ選ばれるかも、と思ったら案の定ですよ」とは宮脇。そう語るその表情は笑顔であり、フィーチャー席への緊張感よりも、むしろこの一戦を楽しみにしている雰囲気がダイレクトに伝わってくる。

写真撮影をお願いするとすっとその右手を握手せんと差し出した黒田。彼にとって最早フィーチャー席は手馴れたものだ。宮脇の思いを受け止めていく。

押しも押されぬ歴戦の兵と、レジェンドへの挑戦の意思を隠さない猛者。勢いが勝るか、経験がそれを押しとどめるか。

Game1
勢いそのままにダイスロールを勝利した宮脇は、1マリガンを喫してしまうも、とてもそうとは思えない攻勢を見せ付ける。

宮脇・黒田共に《Underground Sea》から《死儀礼のシャーマン》という合わせ鏡の立ち上がり。だが第2ターンに宮脇が黒田を押し倒す。

宮脇は《不毛の大地》で黒田の《Underground Sea》を破壊すると、それを即座に《死儀礼のシャーマン》でマナに変換。《突然の衰微》で《死儀礼のシャーマン》をも奪い取る。これには黒田も若干の曇り顔。それでも《祖先の幻視》を待機することで未来への道を作り、ターンを返す。

宮脇は《渦まく知識》で手札を整理すると《タルモゴイフ》を戦場に送り込み、一気呵成にマウントポジションを取りにかからんと挑む。黒田の《祖先の幻視》が解決される前に体制を決したい宮脇は、黒田の《タルモゴイフ》を《目くらまし》でしりぞけると《闇の腹心》と圧力を強めていく。

それでも黒田もまだまだ引き下がらない。《断片無き工作員》で《死儀礼のシャーマン》を招きいれ、《祖先の幻視》へのターンを一つ、また一つと稼いでいく。

宮脇は《秘密を掘り下げる者》を追加。

押されている状況ではあるが、幻視解決までは後1ターン。宮脇がひたすら押しているだけに手札も黒田のほうが多く抱える。ここさへ乗り越えれば逆転の目が見える黒田。若干の思考にふけると、《不毛の大地》を宮脇の《Bayou》に向け、手札から2枚目の《不毛の大地》。これで宮脇の土地の0に戻すと、宮脇から僅かにため息。宮脇は追加の土地を置くことができない。

そしていよいよ黒田の幻視が解決される。

だがその3枚を手札に加えた黒田。即座に手札とあわせ、すべてのカードをライブラリートップに戻し、次のゲームに向けてのシャッフルを開始した。

無常にも、捲れた3枚はすべて土地カードだったのだ。

序盤から押し込んだ宮脇がそのまま一気の寄りきりを決めて見せた。その勢いに押された形となってしまったか。


黒田 0-1 宮脇


Game2
黒田は《Underground Sea》を置き、宮脇は《汚染された三角州》でターンを返すことで第1ターンが終了。本格的な戦いは、黒田の第2ターン《Hymn to Tourach》で幕を開ける。

これに対して宮脇から公開されるのは……《誤った指図》!

自身の放ったスペルが自らに突き刺さってしまった黒田。自身の手札から《見栄え損ない》と《突然の衰微》を失ってしまうという自体を招き、テンポもハンドも大きく失ってしまうという結果に。

宮脇は、《タルモゴイフ》を第一陣とすると、黒田は《渦まく知識》から《死儀礼のシャーマン》と返していく。

宮脇の第二の矢は《闇の腹心》。これをじっと見つめる黒田。ふぅと少し息を吐くと《見栄え損ない》をこの《闇の腹心》にあわせていく。最初に1枚多くカードを失ってしまっている今、これ以上のアドバンテージを稼がせるわけにはいかない。

宮脇の《タルモゴイフ》がひたすら黒田を攻め立てる。

黒田の唯一の味方である《死儀礼のシャーマン》は宮脇の《突然の衰微》の前に地に倒れる。ならばこちらもと《タルモゴイフ》に《突然の衰微》を返していく黒田だが、そこには宮脇から《ゴルガリの魔除け》! 再生の盾に守られた《タルモゴイフ》は戦場に残り続ける。

黒田の表情が驚きに変わる。宮脇自身も「サイドアウトしたいカードの枚数の関係ですね」と、このマッチングでは普通は入りえないその1枚。それをここでしっかり握り締めていた宮脇はノリノリだ。第2、第3の《タルモゴイフ》を重ね、攻勢の手を全く緩めない。カードのプレイにも力強さが増していく。

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黒田は《渦まく知識》に最後の祈りを託す。《汚染された三角州》を挟んで2枚目の《渦まく知識》で《タルモゴイフ》を手に入れる。

だが宮脇はそれをも乗り越えるハンドを手にしていた。《見栄え損ない》が黒田の防壁たる《死儀礼のシャーマン》に向けられると、黒田に襲い掛かる3体の《タルモゴイフ》。

宮脇が黒田を飲み込み、ジャイアントキリングはここに結実。


黒田 0-2 宮脇

「これが人生2回目のフィーチャーマッチでした」と言う宮脇。決勝トーナメントで彼を待つ3度目の椅子を目指し、まずは快調に3連勝。

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