Eternal Party 2015 ROUND5 福留友(大阪) vs 水口清志(大阪)

text by Seigo Nishikawa

158人の参加者の中で、bye2を獲得している3人のプレイヤーがいる。そのうちの二人福留と水口はbye明けの2試合を見事に連勝し、今ここに激突する。byeを持つものを行く道には、同じくbyeを持つ者が立ちふさがるのか。栄光への道を阻むのは何れのプレイヤーになるか。

知己である二人。席に着くと、一つ前の福留の試合で盛り上がる。互いに使用しているデッキは知り尽くしており、今更何かを隠すような間柄でもない。助言を与えあえ、切磋琢磨を重ねる。強者に交わるものは強者になるのか。

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Game1

先手はグリクシスデルバーを駆る水口。福留の使用デッキは奇跡コントロールであり、両者共に奇跡側が若干有利であるという認識だ。それだけに獲得した先手の利を生かして水口はこの試合を是非とも勝ち取りたい。

水口の《ギタクシア派の調査》によって福留の手札が

《汚染された三角州》
《渦まく知識》
《思案》
《剣を鍬に》
《溢れかえる岸辺》
《平地》
《Karakas》


であることが暴かれる。これを見て《Underground Sea》から《秘密を掘り下げる者》とし、水口は福留に対処を迫る。

水口の《秘密を掘り下げる者》は2ターン目の変身を無く、ならばとキャストした《思案》もシャッフルを選択。ここでダメージを稼ぐことができなかったことがどのように影響していくか。

水口が第3ターンのアップキープにもライブラリートップを公開しないことを告げると、ここで福留、《剣を鍬に》で《秘密を掘り下げる者》を排除する。水口の《死儀礼のシャーマン》にも即座に2枚目の《剣を鍬に》。続くターンの《若き紅蓮術士》にも《瞬唱の魔道士》を交えての都合3度目の《剣を鍬に》。水口の更なる《若き紅蓮術士》には《Force of Will》と水口の旗下にクリーチャーが存在することを一切許容しない。

福留が《相殺》をセットする。

だが水口もまだまだ諦めない。《相殺》など物ともしない、《グルマグのアンコウ》をキャスト。これに福留も2枚目の《瞬唱の魔道士》を返すが、水口は残る手札を使い切って《Force of Will》を使用し、これを着地させる。

遂に水口のクリーチャーの攻撃が福留の元へと届く。ここまで、全てを捌ききってきた福留の手から漏れた1枚のクリーチャーが福留を攻め立てる。

更にライブラリートップから《秘密を掘り下げる者》を重ねる水口。最大の弱点である「息切れ」に成りそうな雰囲気が全く無い。

この《秘密を掘り下げる者》が《Force of Will》を公開すると、ここで待ったをかける福留。3枚目の《瞬唱の魔道士》をキャストすると、これにより都合4度目の《剣を鍬に》となるのだが、その対象をどちらに向けるが熟慮。思考を重ねた上で、最終的には手の出しようの無い「飛行戦力」である《昆虫の逸脱者》を排除した。

《グルマグのアンコウ》の攻撃は《瞬唱の魔道士》が受け止め、稼ぎ出した1ターン。手札が僅か1枚の福留はここで何かを引きこみたい。

トップを捲った福留は、そのカードをそのまま戦場に叩きつける。

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「神」こと《精神を刻む者、ジェイス》だ!

跳ね返された《グルマグのアンコウ》を再キャストするしかない水口。今一度手札に押し返そうとする福留は、ジェイスの忠誠度を1とする。水口からは意を決した《もみ消し》、そこに福留はずっと温めていた1枚が《Force of Will》であることを公開する。水口は《二股の稲妻》で《精神を刻む者、ジェイス》を倒すが、無常にも2体目がライブラリーのトップに鎮座。

ここに来て福留のライブラリーが輝いている。

《グルマグのアンコウ》は復活した《精神を刻む者、ジェイス》に手札に返され、続いての《死儀礼のシャーマン》には福留から《対抗呪文》!

見事に必要なカードを引き込んでいる。

福留が《精神を刻む者、ジェイス》でライブラリートップから3枚引き込むと、そこには《僧院の導師》と《天使への願い》を見えるというパーフェクトなジェイスからの返答。《天使への願い》こそは《Force of Will》されるが、《僧院の導師》が残る。

ことここにいたると、水口にこの状況を返す術は最早存在しない。

《グルマグのアンコウ》が戦場と手札を幾度と無く行き来し、《師範の占い独楽》がセットされ、モンクが福留の基に集う。


福留 1-0 水口


Game2

後一歩を押し込め切れなかった水口だが、まだまだ心は切れていない。《溢れかえる岸辺》から《Underground Sea》、《死儀礼のシャーマン》へとつなげる順調なスタートを切ると、福留も《汚染された三角州》から《島》、そして《仕組まれた爆薬》X=1と対応する動きを返す。

だが水口は《沸騰する小湖》から《Volcanic Island》を調達すると、《秘密を掘り下げる者》そして《真髄の針》を《仕組まれた爆薬》に突き刺す、決意の2アクション。

福留が動きを止めているこの間に攻めきりたい。

《秘密を掘り下げる者》が《もみ消し》を公開すると僅かに福留の手が震える。《若き紅蓮術士》こそは《対抗呪文》で弾き返すが、《昆虫の逸脱者》の攻撃を受け、ライフが削られる。

水口が2枚目の《若き紅蓮術士》をキャストすると対応して、福留から《ヴェンディリオン三人衆》。これは《稲妻》で倒されるも水口の手札《もみ消し》《渦まく知識》であることを暴き、《渦まく知識》を排除する。増え続けるクロックを前に、福留は「ターミナス」と呟きながらライブラリートップを引き込むが、無念にも奇跡はおきない。

《思案》で引き入れた《赤霊破》で、《秘密を掘り下げる者》こそは排除するのだが、《若き紅蓮術士》に手を出すことができない。水口の攻撃を裁ききれないことが決定すると、次の試合に頭を切り替える。


福留 1-1 水口


Game3

1マリガンでゲームを開始した福留の手札に対して、水口の《ギタクシア派の調査》が襲い掛かる。このときの福留の手札は

《島》
《乾燥台地》
《Volcanic Island》
《思案》
《仕組まれた爆薬》
《狼狽の嵐》

というもの。これを見られたくない福留は《ギタクシア派の調査》を《狼狽の嵐》で迎撃。水口は《Underground Sea》から《死儀礼のシャーマン》と三度順調な立ち上がりだ。。

福留《思案》で待望の《師範の占い独楽》を見つけこれを手札に加えると、《乾燥台地》を平地に変え、即座に《師範の占い独楽》をセットする。福留はこれで一息。

水口は《若き紅蓮術士》。福留が《終末》に辿り着く前にそのライフを奪い取ってしまいたい。

第3ターン、福留は自身のメインフェーズに《渦まく知識》をキャスト。この動きに《終末》の匂いを感じたか、水口は《Force of Will》で対抗する。水口にターンが戻り、ドローせんとするライブラリートップに伸びる手を押しとどめる福留。

《師範の占い独楽》をタップする。

そう、福留の手札には《終末》は無かった。それはライブラリーの上に眠っていた。

Game3にして、このROUND1初の《終末》を宣言。水口からは《死儀礼のシャーマン》でライフを奪う以外の反応はなく、福留からは「良し」と一声。

遂に吹き荒れた《終末》は、このゲームのパワーバランスを一気に傾ける。水口の攻勢が止まる。福留にもその実手札は無いのだが、独楽の存在が二人のメインを分かつ。福留は着々と場を整える。

それでも場を制圧しても即勝利とはならないのが奇跡コントロール。Game1の熱戦もあり、二人のじっくりとした攻防は「時間」との戦いの様相も見せ始める。

4ターンぶりに戦場をにぎわせるのは福留の《瞬唱の魔道士》。再利用した《思案》で《僧院の導師》を見つけ一気に勝負を決しようとこれをキャスト。だがこれは《Force of Will》で阻まれてしまう。《瞬唱の魔道士》も《稲妻》に倒れ、福留も攻撃を行うことができない。

実はこのとき福留の手札には《相殺》が握られていた。これを先に出していた場合、水口はこれに《Force of Will》を差し向けた可能性が高く、《僧院の導師》は生き残っていたかもしれない。試合後福留はこのシーンを開口一番悔やむのだった。

必死に追いすがる水口。だが引けども後続の弾を見つけ出すことができない。《稲妻》を福留本人に打ち込むもまだまだ先は見えない。

そして無常にも響き渡るタイムアップの宣告。

福留・水口ともに、後3ターンで互いのライフを削り取ることが要求されるが、この状況を打開できるものは両者に存在しなかった。


福留 1-1-1 水口


2byeプレイヤーの激突は無念の痛み分け。決勝トーナメントでの再会を誓って、両者は席を離れる。

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