Eternal Party 2015 ROUND8 加藤晃彦(愛媛) vs 櫻井コウキ(大阪)

text by Seigo Nishikawa

エターナルパーティ2015の予選ラウンドもいよいよ最終戦。ここまで5勝1敗1分の両者は勝ち点16。この試合に勝利したものが決勝に進出し、敗れたものは涙を流す。どんな大会でもやってくる運命戦。それだけにさぞやぴりぴりした空気になるかと思いきや

櫻井「ライターとの語り合いみたいなのはないんですか? とりあえず語りましょう」

といきなりの賑やかしトーク。櫻井といえば、どんな相手とでもすぐに仲良くなってしまうコミュニケーション能力の持ち主。カバレッジに呼ばれれば、そのトラッシュトークを常にネタにされるというある意味で有名プレイヤー。ならばと、そんな彼に「じゃあ今回のトーク内容は?」とうかがってみたところ

櫻井「某人気アイドルゲームで好きな子誰ですか?」

加藤と筆者に問いかける。全くMtGと関係ない。次へいこう。

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しかしこの二人、ずいぶんとノリノリである。

Game1
ダイスロールで先手を得た櫻井は1マリガンとなるも《リシャーダの港》《モックス・ダイアモンド》と早くもLandsの雰囲気をみなぎらせる。一方の加藤の第1ターンは《師範の占い独楽》。これは実に「普通」の奇跡コントロールのようだ。

櫻井は《演劇の舞台》をセットすると、《リシャーダの港》で加藤の動きを「ロック」し始める。そして続くターンには《暗黒の深部》。マリット・レイジを即座に光臨させる。当然これへの攻撃を許可するわけにはいかない加藤は《剣を鍬に》をキャスト。

ここから櫻井と加藤の忍耐合戦が始まる。

2枚目、3枚目の《リシャーダの港》を立て続けに設置し、加藤の土地をロックし続ける。一方の加藤は《師範の占い独楽》を回して、ただひたすらに土地を伸ばし続けていく。

それでもやはり1ターンに3枚もの土地をロックされると満足に動くことができない加藤。無為にターンが経過していく。だが一方の櫻井も土地をおくだけにとどまってしまい、加藤の《相殺》キャストを許さざるを得ない。

奇跡にとっては何も起こらず土地が伸びるという行為こそが普通に望ましい動きで、なんとかして櫻井が圧力を繰り出すより前に、十分な枚数まで土地を伸ばしきりたい。そんな加藤は独楽の力を借りて、淡々と土地を置き続けた結果、ようやく1マナを残した状態で《精神を刻む者、ジェイス》をキャストできる状態まで展開。

ここが櫻井も動きどころか。加藤に残された1枚の《溢れかえる岸辺》をロックしにかかる、加藤が少し逡巡するも、これを受け入れると、櫻井から《罰する火》が放たれる。だが《相殺》がトップに捲られこの動きは成就しない。

《罰する火》も、まだ引き入れていないものの《壌土からの生命》もほぼ封じられてしまった櫻井。この状態を脱却する術はあるか。櫻井は《暗黒の深部》をおいてその来る時をただひたすらに待つ。

4枚目の《リシャーダの港》も引き込んだ櫻井は、加藤の2枚の《平地》と2枚の《Tundra》をロックして、白マナを生み出すことができないように阻害する。加藤は着々と《精神を刻む者、ジェイス》の忠誠度を積み上げていく。

そして遂にその値はは13へと達し、続くターンには櫻井の手札を全てライブラリーへと戻す。今でこそ《僧院の導師》に主役の座を譲っているものの、これこそが奇跡の普通のフィニッシュブロー。

いよいよ最後のターンだ。櫻井は積み重ねた《不毛の大地》で加藤の《Tundra》2枚を破壊すると、《リシャーダの港》で《平地》を封印。そして《演劇の舞台》上に今再び女神マリット・レイジをプロデュースする。

加藤がもしその手札に《Tundra》を持ってしまっていたら、櫻井はこの女神に自由に踊る1ターンを与えることができる。しかし加藤がそのようなミスを犯すことは無かった。静かに《沸騰する小湖》をタップすると、ライブラリーから最後の《Tundra》を招きいれ、《剣を鍬に》でマリット・レイジを引退させるのであった。

30分に及ぶ長期戦は、加藤の粘り腰に軍配が上がった。

加藤 1-0 櫻井


Game2
《Taiga》
《リシャーダの港》
《燃え柳の木立ち》
《暗黒の深部》
《踏査》
《虚空の杯》
《輪作》

と十二分ともいえる手札を手にした櫻井は《Taiga》から《踏査》《リシャーダの港》とつなげることでゲームをスタート。加藤は《島》から《思案》で手札を整える。

続くターン《燃え柳の木立ち》と《暗黒の深部》を置くと《虚空の杯》をX=1でキャスト。そしてこれが通る。通ってしまう。

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その手に《輪作》を残しながら。

加藤からは《安らかなる眠り》が置かれる。これで《罰する火》《壌土からの生命》に一先ずの保険をかけると、櫻井の動きが少ないのを見届けるとフルタップも厭わず《僧院の導師》。櫻井は《不毛の大地》で《Tundra》を割り、《リシャーダの港》で《平地》を縛るも、加藤の手札からは2枚目の《平地》がセットされ、そして2体目の《僧院の導師》が送り込まれる

加藤が《虚空の杯》などものともせず、《思案》や《師範の占い独楽》で《僧院の導師》を果敢させると、あっという間に櫻井のライフは底をついてしまった。

手札から《演劇の舞台》になるはずだった《輪作》が恨めしそうに櫻井を見つめるのであった。

まさかの5分決着。


加藤 2-0 櫻井

加藤、決勝トーナメント進出決定!



加藤「ところで、某人気アイドルゲームのことですけど、カバレッジ載りますか?」
筆者「いや、怒られかねないんで」
加藤「結構楽しかったんで載ると嬉しいです」
筆者「プレイヤーに求められたなら仕方ないですけど」

ということで
櫻井は、ロックロック連呼している某Coアイドル
加藤は、「普通」とは何なのか考えさせられる某Cuアイドル
筆者は、ステータスを可愛いパラメータに全振りしている某Cuアイドル
がそれぞれ好きだそうです。

興味があったら調べても良いかと思いますが、マジックの実力には何も寄与しないのであしからず。

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